神戸の街並みや姫路城、有馬温泉など南部に魅力が集中しているように思われがちな兵庫県ですが、北部や中部にも素晴らしい景色が広がるスポットが数多くあります。
今回は兵庫県を北から南へ縦断して秋の景色を撮ってきました。たくさんの素晴らしい景色に出会えたので、よかったらご覧ください。
安国寺のドウダンツツジ
まずやって来たのが兵庫県の北部、豊岡市にある安国寺。ここでは初夏と秋の限られた期間にだけ一般公開される特別な景色を見ることができるんです。
ずっと見たかった景色をまたひとつ見ることができました。真っ赤に色づいたドウダンツツジの息を呑むほどの美しさに、写真を撮るのを忘れて見惚れてしまいます。本堂越しに眺めることで建物の枠によって切り取られた一枚の絵画のように見える、まさに「額縁構図」のお手本のようでした。
主題の周囲を窓や樹木などを利用して囲うことで、枠内の被写体に視線が誘導され主題を強調するとこができます。このような構図を「額縁構図」と呼びます。
最近京都の有名なお寺にならってリフレクション撮影のために漆塗りの床まで用意されたようです。きれいに撮る為のコツも係の方が教えてくださってました。ちなみに、この床の上には絶対に乗っちゃダメです。順番待ちの間に何度も説明されていたのですが、この日も乗ってしまった人がいたみたいで大声で怒られてました。。
この庭園に植えられているのは樹齢160年を超える一本のドウダンツツジなんだそうです。本堂のすぐ後ろが斜面になっているため、冬の間は木の上に雪が積もり続け、その重みで這うように横に伸びていったんだとか。
シーズンには数多くの見物客が訪れ、目当てのドウダンツツジを見るまでにはかなり待つ必要もありますが、それを檀家の方が協力してうまく捌かれてました。順番を守ってさえいれば正面で人のいない状態の撮影をさせてもらえます。
写真好きには至れり尽くせりの配慮ですが、どうやらこちらの関係者の方(ご住職?)が趣味で写真を撮られるんだそう。本堂には四季の庭園の素晴らしい写真が飾られていました。
砥峰高原のススキ
続いてやってきたのは、豊岡から車で1時間半ほどの兵庫県中部にある砥峰高原。周囲を山に囲まれたすり鉢状の地形に90haもの草原が広がり、四季折々の植物が見られます。そのロケーションから数多くの映画やドラマのロケ地となっているようです。
入口のゲートを入ってすぐのところでこの景色。秋にはこのように見渡す限りにススキの大草原が広がります。ススキの群生地を訪れたのは初めてでしたが被写体力ありますね!秋はどうしても紅葉を追ってしましがちですが、ススキもいいもんですね。これからはもう少し注目してみようと思います。
目に見える範囲をぐるっと周回するコースタイム1時間半ほどの散策コースがあるようなので行ってみることにしました。RPGのダンジョンはくまなく探索したい派です。
道はきちんと整備されていて傾斜も緩めの気持ちのいい散策路でした。一部日陰になるところは雨上がりにぬかるむので注意が必要です。登りの途中に東屋と散策路の中間地点に展望台が設置されていて座って休むことができるようになっています。
レストハウスまで戻って来ました。中にはロケの様子のパネル展示や砥峰高原の四季の写真が飾られています。蕎麦屋が併設されていて昼食をとることもできますよ。広いウッドデッキに座ってススキを眺めるのもいいですね。
この日は朝早かったのでこのあたりで眠気が限界に。一旦車で仮眠をとって夕景に備えることにしました。
起きてみたらすでに太陽は見えなくなってました。山に囲まれた地形は一般的な日没時間よりも早く太陽が隠れてしまうんですよね。散々山に登っていて知ってるはずなのにやらかしてしまいました。。
姫路城
翌日は姫路に移動して「世界遺産姫路城十景」のひとつ男山排水池公園から朝日を狙ってきました。姫路城からすぐ近くの住宅街の中にある高台で198段の階段を登るともうこの景色。登山のように苦労したからこその絶景は感動もひとしおですが、お手軽絶景もいいもんですね。
書写山円教寺
開山1000年を越え西の比叡山とも称される格式高い天台宗の寺院である書写山円教寺。歴史・文化といった見どころもたくさんあるのでしょうが、写真好きとしてはやっぱり舞台造りの摩尼殿に注目してしまいます。秋になると周囲の木々が真っ赤に染まり、それはもうきれいなんでしょうが。。もう少し先のようですね。
境内は広くどこを見てもきれいだったので気がつけば2時間も経っていました。ここもたくさんの映画やドラマロケ地になっていたようで、ハリウッド映画ラストサムライのロケが行われたお堂もありました。もともとはロケ地に選ばれてなかったようですが、偶然円教寺の風景を見た監督が一目惚れして急遽決まったんだとか。
一部紅葉している場所もありましたが、全体的にはやはりまだまだといったところでした。今年はどこも遅いみたいですね。
今回のまとめ
年々短くなっている気がしますが、やっぱり秋はいいですね!今回訪れた中で特に印象に残ったは最初に紹介した安国寺のドウダンツツジでした。それなりの時間待つことになりますが、その間はメインの風景が一切見えないようにされていました。「お待たせしました、どうぞ」の掛け声と共にほんの少し横に移動しただけで一気に目に飛び込んでくる額縁構図のドウダンツツジ。絶妙な誘導のおかげで目にした瞬間の感動が数倍になったように思います。
正直少し地味な印象のあった兵庫県中北部ですが、今回の旅を通して印象が変わりました。この他にも雲海に浮かぶ天空の城竹田城や情緒ある温泉街で7つの外湯めぐりを楽しめる城崎温泉などまだまだ見どころはありそうです。
一通り日本中を回ったつもりでいましたが、まだまだ見たことない景色がたくさんありますね。
次はどこへ行こうかな。
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